2001年12月県議会   表紙に戻る

金田議員の一般質問(12月12日)
【新宮地域のケーブルテレビ事業について】
金田 コンピュータを初めとした情報通信技術の発展、特にインターネットの普及はわが国においてもめざましいが、米国の普及率は日本の二倍である。それは、単に事業者の競争が盛んなことだけでなく、政府が全ての国民に情報へのアクセスを保障しているからだ。また、日本には全人口の約四〇%をカバーするだけの光ファイバー網があり、その整備は国土が二十五倍もある米国の二倍だというのに、ほとんど使われていない。
 しかし、インターネットはまさに画期的な情報へのアクセス手段であり、これを全ての国民に保障することこそは、高度情報ネットワーク社会の形成にあたって国の果たすべき第一の責務である。低価格で利用することを国民の権利として保障することもまた重要であるという立場から質問をおこなう。
 第一に、本県全域におけるバランスのとれたIT化を促進するための基となるブロードバンドネットワーク=高速・大容量の情報通信網について、まだ戦略も出来ていないこの時期に、その情報通信網となるケーブルテレビ(以下CATVと記す)事業を新宮地域は導入することには、疑問と不安をもつ。県下のCATVの対象地域や基盤整備は今後どうなるのか。
 第二に、この広域新時代CATV施設整備事業とは、地域に密着した緊急情報など、地域の住民生活に関わる情報や、文化・教養情報などの多彩な情報を映像情報として提供し、インターネットも利用できる光ファイバーによる地方公共団体及び第三セクターがおこなう有線テレビ事業である。この事業は新宮から串本まで一市七町一村の地域を対象とし、全体事業費は約三十億七千万円。その負担割合は事業主体である(株)ZTVが半分の十五億、国七億七千万、県三億八千万、広域市町村三億八千万円で、今回の県の補正予算で一億八千万円が上程されている。しかし、県も各自治体も住民への情報を提供する事業計画書が作成出来ていないのが実態であり、予算は来年度に繰り越されるだけである。CATVをどう活用するかという事業計画を先に示すべきではないか。
 第三に、山間部は民間事業者単独では経済性からも基盤整備が困難なため、公的整備・支援を実施することも必要かもしれないが、その賛否・手法についても慎重論や意見があり、特定の民間会社に協力することへの是非も問われる。なにより、住民の十分な合意形成がない現状での事業のスタートは時期尚早ではないか。
 第四に、CATVは、紀南地域のテレビの難視聴地域における難視聴の解消につながる。しかし、現在個人負担が月二百円程度だったのが、最低でも月千円となり、加入料・引込工事費などにも五万円程度の負担。多くの情報を必要とする者は大歓迎だが、そうでない者には迷惑な話、新たな負担増である。また、CATVが事業として成り立つには地域世帯の約五〇%の加入が必要であるが、経済的弱者に対する救済策、加入・押しつけの禁止、情報格差の解消対策、行政の役割など環境や条件整備は保障されているのか。
 第五に、CATVは新たな事業・雇用の場を創出するが、半面、難視聴地域での共同アンテナなどの保守・点検に携わってきた事業者の仕事を奪うことになる。CATVの光ケーブルの埋設、電柱の屋外配線、家屋までの引込工事、屋内配線工事など、地元に仕事や雇用が保障されるルールづくりを求める。
■ 垣平企画部長 IT革命がもたらす社会経済上の便益を全ての県民が享受するには、早急に県下全域に低廉な高度情報通信ネットワークの利用機会を確保することが必須条件 だと認識している。IT戦略の中間報告においても二〇〇五年までに県下全域にブロードバンド環境を構築することを重点戦略として位置付けたところであり、今回の事業はその先導的な事業である。CATV事業については三重県側と連携しつつ、地元市町村においても関係者との協議を重ねつつ構想を進めてきた。テレビ難視聴対策への活用、デジタル放送への対応、高速インターネットの利用、公的サービスへの活用等により、当該地域での利用が見込まれることから、ITを活用した地域活性化の核として期待している。国の補正予算においても措置されることになり、県としても積極的に支援していく。
 新宮市に行政番組の制作スタジオや伝送装置等が設置される「センター施設」を整備し、周辺市町村に対しては光ファイバーによるケーブルネットワークを構築していくことが計画されている。それ以外の地域については、ケーブルテレビを始め、今後の普及が期待される無線アクセス、次世代携帯電話、超高速通信が利用可能な家屋まで配線される光ファイバーの活用を視野に入れつつ、各通信メディアの特性や民間事業者による整備の動向、国の支援策の活用可能性等を総合的に勘案し、早期導入を目指して取り組んでいく。
 ケーブルテレビの導入は、共聴施設の維持管理業務の運営にあたっての様々な問題解消に資するとともに、今後のデジタル放送への対応に際しても有効な手段だと認識している。
 ケーブルテレビ事業者からは、地元事業者と代理店契約を結び、一部ケーブルの敷設、宅内工事、後年度での機器増設への対応、保守管理等を委託する意向であると聞いている。今後も出来る限り県内事業者への配慮を要請していく。

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【同和行政・教育の終結について】
金田 「今後の同和行政について」の通達文書は、平成十四年三月三十一日に地対財特法の有効期限が到来し、特別対策の法令上の根拠がなくなることから、それ以降の同和地区の事業は、他の地域と同様に、同和地区・同和関係者に対象を限定しない通常の一般対策を講じることを明らかにした。おもな理由は、「特別対策は本来時限的なものであり、これまでの膨大な事業の実施によって同和地区を取り巻く状況は大きく変化している」「特別対策をなお続けていくことは、差別解消に必ずしも有効ではない」「人口移動が激しい状況の中で、同和地区・同和関係者に対象を限定した施策を続けることは実務上困難である」ということである。行政当局は「地域や人を特定する特別対策は終了する」との立場を明確にすることが大切である。
 和歌山県同和教育子ども会への補助制度の事業を継続してきたが、子どもたちの社会にも基本的な差別はなくなってきており、学力差も、差別が原因として生まれているとは考えられない。同和子ども会のうち実際に解散したり、解散を決めた子ども会は九十九地区中四十七地区という報告があることからも、その必要性は認められない。一方、母親子どもクラブは全体的に活動は低調で、行政からの財政的支援も少なく、青少年の健全育成の観点からも、同和子ども会への補助制度を廃止し、等しく全県の子どもたちの健全育成に予算を配分すべきである。
 今までも和歌山県同和教育基本方針の見直しまたは廃止を、日本共産党は主張してきたが、特別対策が終了するにあたり改めてこの基本方針の廃止を求める。国民的・県民的努力の中で同和対策が大きく前進し、「差別を許さない」社会状況が生まれている今、この基本方針のいくつかの規定は現実にそぐわないものになっている。人権教育の振興にあたっても常に「同和問題を中心にして」というような教育行政は、現段階にあっては差別をなくすという初期の目標にも合わなくなっている。
 また同和行政は、旧身分に対する差別をなくすために旧身分を公的に区別するという矛盾を抱えていた。法が終了する現在、旧身分を特定する行為を前提とした児童生徒を対象とした県教委の「校区に同和地区を含む学校の状況調査」などは中止すべきである。子どもたちの旧身分を特定し、本人・親権者の承諾や了解を得ずに行うこの調査は、科学的根拠、正確さを欠き、かつプライバシーにも関わるからである。
 文部科学省財政課は、法期限終了に際して同和加配はなくすが、現行の加配教員は確保し、課題を多く持っている学校への加配を行うとしており、現在までの加配に必要としたこの状況調査もなくすそうである。和歌山県は教員の同和加配を県単独分も含め廃止し、減員することなく教育困難校へ一般加配するのか。
■ 白井福祉保健部長 現在県では施策ニーズを的確に見極めつつ、事業の見直し作業を進めている。特別対策については出来る限り早期に一般対策へ移行する。既に貸付等が行われている事業については要件の終了まで事業を継続するが原則として地域や人を特定した特別対策は終了する。
■ 秋月環境生活部長 同和教育子ども会は現在も活発に活動している地域も多く見られ る。また地域の子ども会活動を活性化させる必要もあるので、これらの活動を県下全般に 広がるよう、現在の補助要綱を廃止し、新たな補助制度の検討をしている。
■ 小関教育長 この間、多くの県民の努力により解決に向け相当の成果を上げてきたが、学校での差別事象等の発生、大学・短大への進学率に依然として大きな格差があるなど、まだ残された課題がある。特別措置法の期限後においても一般対策に工夫を加えつつ必要な取り組みをしていく。「校区に同和地区を含む学校の状況調査」は同和教育をすすめるうえでの基本的調査だと認識している。加配教員については現在各学校の教育課題を把握し、国の動向も踏まえ、検討している。

(再質問)

金田 同和教育の基本姿勢について、教育委員会はなぜ「地域や人を特定する特別対策を終了する」と明確にしないのか。和歌山県同和教育基本方針の「はじめ」と「別記」には、この方針が「同和対策審議会答申」と「同和対策事業特別措置法」とを根拠とする旨が記されている。この根拠となる特別措置法がなくなるのだから、それに基づく基本方針を廃止するのが道理ある姿ではないか。
 状況調査について。県教委は地対法が廃止されるのに、何を根拠に子どもたちの旧身分を暴くような行為が許されるのか、その根拠と特定する基準を答えていただきたい。
■小関教育長 同和地区児童生徒の不登校率は一般地区全体の二倍半に上る。家庭状況、保護者の経済状況にも明らかな違いが存在する。結果として大学、短大の進学率の格差は十六〜十七%。地対財特法はこの三月で切れるが、もちろんその中で一般施策という形で行うが、同和教 育は継続する必要性を感じているので、和歌山県同和教育基本方針を廃止する考えは現時点ではもっていない。したがって、校区に同和地区を持つ学校の状況調査は基本的に必要な調査であると考えている。

 

(再々質問)

金田 同和行政を続けていることによって新たな差別を生むならば、今、同和行政、同和教育をやめていくことが当然である。同和問題すべてが解決したとは思っていない。しかし、特別なことをせずとも、自然な交流を続けていけば同和問題が解決する時代を今迎えたのだと認識していただきたい。これ以上同和教育を続けることは、差別をなくす弊害になる。また、状況調査を続けることは、「人や地域を特定しない」ということに反するのではないか。
■ 小関教育長 地対財特法の期限切れをもって同和問題は終了するものではないと、地対協の意見具申に述べられている。やり方、方法は変わってきても、やらねばならないことは残念ながらまだあるという立場に私どもは立っている。特定身分を暴くとか、人や地域を特定するとかいうことを目的に行う調査ではない。当然プライバシーにも配慮している。早くこういうことを行わなくてもいい時代が来ることを願っているが、現在はまだそ    こまで来ていないというのが私どもの認識である。

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【自然と健康を守る環境行政の実現について】
《新宮市松山の産業廃棄物自社処分場について》
金田 本年六月議会において、松山の産廃自社処分場での破砕機やベルトコンベアの使用は、都市計画法にいう周辺地域の環境悪化をもたらすおそれのある工作物、クラッシャープラントに該当し、違法ではないかと尋ねたところ、土木部長は「この移動式破砕機の作業内容、使用状況等の報告を業者に求めた上で、建築基準法を所管する国土交通省に工作物に当たるかどうかの見解を求めるなどし、早急に判断する」と答弁した。しかし業者からは未だ報告がない。行政は自ら住環境を守るために定めた地域において、少しでもそれを脅かすと考えられる場合には、毅然とした行政姿勢を示し、行政指導するのが当然である。
 本年九月議会において、環境生活部長はこの松山の産廃処理場の焼却灰について「焼却灰の長期間の保管は廃棄物の適正処理の観点から望ましくないため、適切な処理業者に処理を委託するよう指導している」と答弁したが、その後適正に処理されているか。
■ 秋月環境生活部長 焼却灰の保管については、保管基準に適合しているが、保管が長期間に及ぶことは好ましくないため、事業者に対し適正に処分するよう指導してきた。現在も処分されていないため、最終処分場で処理するよう引き続き指導していく。

 

《新宮市南谷の破砕の中間処理業の事前調査について》
金田 昨年四月十二日付けで新宮保健所長から新宮市長宛の「産業廃棄物に関する調査について」の書類が提出され、五月一日付で市長の意見書が提出されたが、本申請がなされぬままこの間に廃棄物処理法が改正され「木くず又はがれき類の破砕施設であって一日あたりの処理能力が五トンを超えるもの」が廃棄物処理法第十五条に規定する産業廃棄物処理施設となり、許可が必要となった。法改正が行われた場合は、今までの意見書は無効とし、本申請があれば再度、地元の意見を確認すべきではないか。また、意見書・申請書の有効期限を一年とするなど、一定のけじめある厳正な事務手続きに改めるべきではないか。
 そして、産廃処理施設については地元住民と業者間で「産廃施設の運営に関する合意事項」などが保健所長と地元首長を立会人として締結される場合があるが、県として更に奨励すべきではないか。
■ 秋月環境生活部長 平成十三年二月一日の改正廃棄物処理法施行により、一日当たりの処理能力が五トンを超える木くず又はがれき類の破砕施設が設置許可対象となったことから、設置許可申請にあたっては、行政指導で地元首長の意見の添付を求めることになる。事前調査書の有効期限については現在改定作業中の「事前調査事務取扱要領」により設定する方向で検討している。また、地元から生活環境保全上の要望があれば、事業者に対し地元住民と協議するよう指導していく。
 
《白見の滝付近の川沿いの不法投棄・埋め立てについて》
金田 この問題は昭和六十三年から解決されていない。本年六月議会において土木部長は「その一部が河川区域内の盛り土の許可を求めた河川法第二七条などに抵触しているため、現地で河川区域を明示するなど、除去に向けた取り組みをしている」と答弁した。以前から「法に照らして厳正に対処する」との答弁であり、熊野の世界遺産が叫ばれている時に、自然公園法が踏みにじられ、河川法に抵触しているのにいつまでも解決できないのでは、世界遺産の登録は夢に終わってしまう。現状はどうなっているのか。
■ 大山土木部長 盛土の一部が河川区域内にあることから、これは河川法第二七条に抵触している。現在、除去にむけ監督処分等さらに強い法的手段を含めた取り組みを行うため、和歌山地方法務局など関係機関と協議している。
 
金田(要望)厳しい姿勢を示すことでその行為を行った者が反省し、自ら撤去することを私は望んでいる。是非強い姿勢で最後まで指導し、本当に美しいと言われるような熊野川にしていただきたい。
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【県立高校全日制普通科の通学区撤廃の方針について】
金田 県教委は「通学区域のあり方について、通学区域を見直す必要があるとの意見等やきのくに教育協議会からの報告等を十分参考にしながら検討を進めてきた」と述べているが、どれだけ現行の通学区域を見直す意見がだされたのか。慎重論や反対も同じようにあったのではないか。
 「きのくに教育協議会」はそもそも限られた委員と時間に拘束された協議会であり、全県の意見が集約できたとは考えられない。またその報告は昨年三月末に出され、その内容は廃止だけではなく慎重論や反対もあり、通学区域は「中学校の進路指導や高等学校教育のあり方と深く関わって検討すべき問題であり、県教育委員会においては、これらの意見を参考にしながら生徒や保護者の願いや地域の実態などを考慮し、幅広く検討されることを期待する」としている。それを県教委に全て任されたかのような誤った認識で、庁内プロジェクトチームをつくり、そこで廃止の結論をだしたのではないか。廃止の法的根拠である地方教育行政法の改正は本年六月二十九日である。急いで結論を出す必要はない。十分な県民の議論がつくされたといえるのか。
 学区制については、もっと柔軟に学区数も含めて県民の論議が必要で、不安や疑問、提案・要望にも耳を傾ける姿勢が必要なのではないか。県教委は通学区を撤廃することにより「高校選択の自由が拡がる」「各高校がさらに特色づくりで競い合い、魅力ある学校になる」というが、今ある学校間格差がさらに広がり、受験競争の一層の激化につながるのではないかとの不安もある。また、受験競争は学校教育の大きな弊害となっているのではないか。
 高校通学区の問題は、和歌山県の教育を考える上で大変重要な位置を占める。今必要なことは撤廃を白紙に戻し、県民の関心の高まりを生かして、賛成・反対・不安・疑問・批判などの声に耳を傾けることではないのか。
■ 小関教育長 種々検討の結果、学区制がもつ歴史的役割は終わったと考えられるため、また、生徒の学校選択幅を拡大するとともに、高校教育の個性化、多様化を一層推進するため、撤廃するという結論に達した。平成十五年度入学者選抜から実施する。生徒や保護者の不安については、実施までに一年半の期間を設け、現在、県のホームページにも意見の提示を求めるページを設け、理解が得られるよう努めている。またプロジェクトチームは存続させ、生徒や保護者への情報提供等について、引き続き検討していきたい。
 これまでも、総合学科や専門学科の設置、単位制への改編など様々な改革を進めてきたが、今後とも、高校教育の個性化、特色化をより一層推進していきたい。
 高校入学者選抜については、偏差値偏重など過度の受験競争の弊害が課題となる中で、生徒自らの進路希望や適正等を踏まえた適切な進路指導を進めるとともに、推薦入学の拡大や学校・学科の特色に応じた選抜方法の改善を行ってきた。
 
(再質問)
金田 私は「教育は合意によって進める」という言葉が好きだ。また「民主主義は手間と時間と金がかかるもの。それを惜しんだらよい結果は望めない」と教わった。学区制撤廃についてはこの間、通学区域専門委員会が九名、三回の討議、そして十九名の全体会議をおこなったとのこと。様々な意見があり、学区についての方針がまとまらず、学区制をどのようにするか結論が出なかったのではないか。また、庁内プロジェクトチームの中には校長会からも保護者からもメンバーとしては加わっていない。平成十二年五月から九回の会議をしたというが、これでは学校現場、保護者、子どもたちの声が反映されているとはいえず、論議を十分におこなったとは思えない。
■ 小関教育長 きのくに教育協議会は、各界各層からの幅広い委員で構成されている。その圧倒的多数は、学区は拡大あるいは廃止という意見であったと記憶している。これを受けて県教育委員会で庁内プロジェクトチームをつくり、一定の結論を出すべく約一年半にわたり幅広い検討を重ねてきた。インターネットで県民に、高等学校の校長会、PTAにもそれぞれ呼びかけ、意見をいだたいたりした。県議会の本会議、文教委員会でも四〜五回論議され、学区制は現状のままでいいとかいう意見は全くなかったと私は記憶している。それらを種々総合し、今回の結論に達した。
  
(要望)
金田 私も文教委員会において、この学区制の問題について発言で、学区制については反対も賛成もあるという前提の中で十分に論議をしていくことが必要だと主張した。「すべてが賛成した」ととらえていたのでは迷惑である。その点ははっきりさせておきたい。
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【南海地震の対策について】
金田 地震調査委員会が本年九月、マグニチュード8クラスの地震が三十年以内に発生する確率について、東南海地震(M七.九)クラスでは五〇%、南海地震(M八.〇)クラスでは四〇%程度とする予測を発表した。地震と津波の二重被害が予測される地域でもある新宮では、その話題が地元新聞に詳しく報道されていたこともあり、今回の震度予測発表に大きな不安と地震対策に関心が高まっている。国も中央防災会議が専門調査会で更に詳しい各地の震度や津波の高さ、被害予測を立て、来年度中にこれらの地域の防災強化策をまとめる方針である。和歌山県も地域防災計画の見直しが迫られている。また熊野川流域の住民には真剣に地震によるダムの崩壊を心配する方もおり、住民の不安を少しでも和らげる対策、情報公開が必要である。
■ 稲山総務部長 本年十一月に本県をはじめとした関係三十府県により「東南海・南海地震に関する府県連絡会」を設立し、国の地震対策に関する情報収集や情報交換を行なうとと もに、関係府県の地震対策の現状分析と今後の課題検討を行うこととした。今後、国の専門調査会における検討状況を踏まえながら、防災センターの整備、市町村とともに住民に対する防災知識の普及啓発を進めるなど、地震防災対策の強化に一層努めていきたい。
 
【佐野川・荒木川の河川改修について】
金田 本年も二度の洪水で生活道路の通行止めや農地への被害が繰り返されている。佐野川は一九七四年からの改修で計画約三kmのうち約半分程度、荒木川も九〇〇mの計画に対し三分の一程度しか改修されていない。水害をなくし、安心して生活するために、河川改修は緊急課題であり、住民の長年の願いである。今後の佐野川、荒木川の改修計画はどうなっているのか。
■ 大山土木部長 佐野川、荒木川の改修については、昭和五十五年に中小河川改修に着手し下流部より河道拡幅を行っている。今後とも第五佐野橋上流の護岸工と用地取得の促 進を図っていきたい。
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